2019年8月
音楽
ライブには羊文学 EP『きらめき』のリリースツアー、ナノ×2_wEi対バンFrontal Crashの2本行った。
・羊文学
音楽性がそうさせるのか、客層が素朴な印象だった。今まであまりそういうことを感じたことがなかったんだけど、オタク・ライブみたいに観客が奇声を発したりしないしみんなしっかり聴いているので(ドカンと盛り上がることもないけどそれでいいんだよな)、素直に居心地が良いなと思ってしまった…。
オルタナらしい音像でありつつ歌ものとしての良さが際立っていて好きなバンドだ。ふと口ずさみたくなるようなメロディというか、そういうところ。
新EPではソーダ水、旧譜からStepとかだいたい聴きたかった曲が聴けてよかった。ブレーメンはやらなかった。PavementのDate With Ikeaのカバーで完全に達した。
・ナノ×2_wEi
エビストの物語展開を受けてのライブというこれまでのやり方をまさかの対バンで、歌詞提供があった縁から(めっちゃアニメ主題歌をやっている)ナノさんを巻き込んでの開催。
直前にライブの前フリとも言えるストーリーが公開されており、「今回のライブは2_wEiにとってどういう意味を持ったものになるのだろうか…」と真剣な顔で臨んだが毎度新鮮な体験ができる。
今まさにリスナーの反応を受けて歩みを進めつつある2人というストーリーをやっている中でこうしたライブが開催されているわけで、我々観客も確実にストーリーの中の存在なんだなと感じてしまう。
ナノさんもやはり例外ではなく、「ナノ役のナノです」とアンコールで自己紹介されていたのは(笑いを取る冗談だけではなく)そういう理解が彼の中にもあったからではないか。「音楽は境界を越えるツール」という言葉はエビストの中で考えてもフィットするものだった。フロアも良い盛り上がりで、転換中は最前譲り合いの光景を目にすることもできた。
ナノさんかっこよかった。ナノさんバンドが2_wEiの曲もやってくれて本当にありがたかったです。
Spotify
D.A.N.とかダイアナ・ロスとか、相対性理論のライブ盤をよく聴いている。
本
早川書房『誰が音楽をタダにした?』を読んだ。1冊本を読み切るのが相当久しぶりな気がする。
音声データ圧縮技術、CD工場とインターネット上の海賊行為、レコード会社の戦いという3本の軸で作られている。先端的なテクノロジーと既存の産業構造のぶつかり合いという風に読めるけど、ありふれたアメリカ労働者の生活の質感がある文章が一番おもしろかった。
90年代のヒップホップアーティストの名前がたくさん(他ジャンルも勿論だが)出てきて、今までなかなか馴染みがなかったけどSpotifyで流しながら読んだ。2Pac、Juvenile、OutKast、リル・ウェインなどなど。アーティスト個人のエピソードも書かれていて良い入り口になったと思う。
内容もだが文章(翻訳文だ)そのものが良かった。インターネットと音楽に親しんだ人は読んでみると楽しめると思う。
ゲーム
・FIFA プロクラブ
相変わらずFIFAといえばプロクラブしかやっていない。先日ついに1,000試合出場を達成してしまった。重い現実。結局ポジションは定まっているようで定まっていないが最近はウィングをやっていることが多い。
FIFA20も買う。楽しいので。
・斑鳩
弾幕STGみたいなマッチョな弾避けは必要ないと思わせて実際めちゃくちゃむずい。弾幕STGにもしっかり避け方があるのは知っているけど。目下easyチャプター2のボスで苦戦しているところ。
スコア上げるんだとしっかり頭を使ってパターン組んで、再現性を高めないと伸びないんだろうというのは序盤だけでも分かる。奥が深そうで名作と言われる一部分がそういうところなのかと思う。
あとグラフィックがしっかりしてて(4K対応)古いゲームやってる気分にならないのが良い。
・エビスト
何よりストーリー更新。このコンテンツ、楽曲とライブで語る部分が大きいけどやっぱりテキストと声のストーリーが軸なので、久しぶりの更新は嬉しい。
ライブバトルというシステムや未来から時間移動してきたメイのようなSF設定の根幹に踏み込みつつ、作品の持つメッセージみたいなやつもはっきりストーリーで示されて、次の段階に進んだ感じ。人はなぜ歌うのか…というシリアスな問いが今提示されているものだと思うけど、ここからどう転がっていくのか、特に来月のライブの後まで楽しみだ。
リクエストライブの投票があった。『カナエルミライ』『あの日の約束』という初期2曲に2端末9票を突っ込んだが果たして。無謀なチャレンジだったということにならないことを願いたい。
・その他
ナノ×2_wEiの日にスカイツリーとたばこと塩の博物館に行った。塩の製法って意外と考えたことがなかったので大変面白く展示を見た。でかい岩塩とか塩湖の表面の再現なんかがある。しかも100円で入れる。やばい。
ライブには行ったけどあんまり出かけていないな。川に行きたい。長良川に…
すべてがちょうどいい 福井の音楽フェス One Park Festival に行ってきました
タイトルの通りです。音楽フェスの第1回に行くという経験はなかなか貴重なのではないか…
チケットを取る
もとよりライブを見てみたかったceroの出演告知がきっかけでした。そもそも福井市の駅前、市内ど真ん中の公園で音楽フェスをやるということも知らなかったのですが(なんといっても第1回です!)、アーティストラインナップの面白さ、自宅からの近さ…滋賀県北部から直通で行ける!、街なかというアクセスの良さに惹かれ、チケットを取るのに時間はかかりませんでした。
開催日は7/6,7/7の2日間。
参加アーティストはこちらです。
ARTIST | ONE PARK FESTIVAL 2019
しっかり聴いているアーティストはあまりいません。mabanuaのソロ名義と藤原さくらのバックバンドでライブを見たことがあるOvall、10年前のCOUNT DOWN JAPANで見たSPECIAL OTHERSぐらいでしょうか。さすがに名前は知ってるという人はもっといますが音源単位で何回も聴いたという感じではない。ウルフルズやクレイジーケンバンド、きっと楽しいだろうな…というのはあります。
さて、Spotifyに予習用のプレイリストないかなと検索したらありました。
先月は神戸のネコフェスなるサーキットイベントに行ってきたのですがそちらでも出演者の楽曲をまとめたプレイリストがありました。フェスを通して聴く音楽が広がるというのはこれまでもそうですが、サブスクを介すればものすごく手軽にそれができるんですね。
ワンマン行くほどじゃない、気になってはいるけど音源購入するほど優先できないとかあるわけで、サブスクという形態がもたらすものはやはり大きいなと感じます。
サブスク以前はだいたいレンタル屋を利用してきましたが田舎の店舗だとラインナップも豊富とは言えず、それだけでは物足りないわけです。もっと早く導入すればよかった。もはや自分にはライフラインのような存在になってしまいました。
さてプレイリストを聴いてみると確かに広い意味でのダンスミュージックというか、グルーヴ重視のラインナップでした。
その辺のコンセプト的なことについてはインタビュー記事がありました。
初見の人でも問題なく楽しめる、ダンスを喚起するとありますがプレイリストを聴いていると一気に楽しみになりましたね。2日通しで13,800円、安くはなかったけどどういう内容になるかは分からなくとも軽く元は取れそうだなと。
アクセス
福井までは自宅近くの駅からも直通の便が出ています。1時間ちょっと。大変助かります。京阪神からだとやや遠くなりますがサンダーバードでスッと来られますね。
都市型と言いますが、福井駅からのアクセスが良い。良いなんてもんじゃない。なんと歩いて10分かかりません。本当に福井の街のど真ん中です。
城址に役所があり、その隣の公園。場内にいてもビルが並びお濠がある中ステージが建っており、なかなかおもしろい景色が見られます。
ここまでの市街地でやる野外音楽フェスは珍しいのではないかと思います。近隣の方から騒音に苦情が寄せられたりしないのかなと思いましたが少なくとも1日目が終わった時点でそういうことはなかったそうです。行政側も乗り気だったそうですから(市長のあいさつが開演前にあったのが良かった)、そういう理解を得る努力もしっかりしていたのかなあと。
会場の出入りは自由。外のお店でご飯食べられるし、フェス価格でやっている会場内の屋台を避けて近くのコンビニで飲み物とかを買うこともできます(フードとアルコール類は持ち込み禁止ですが)。当然近くにホテルもあります。自分は中抜けしてチェックインしシャワーを浴びて横になって、日が落ちてから再出動するということもありました。この辺の利便性すごいです。
会場出てすぐのところに屋台であったりBBQのテントなんかがあり、サザエが焼かれたりしていました。音漏れを聴きながらやるのもまた…大変良さそうですね!
会場
ステージはメインの大きいやつ=Park Garageと直径10メートルほど?のドーム状のテント=Dome Livingの2つがあり、交互に演奏が行われました。
Dome Livingはその小ささもありDJセットとかピアノの弾き語り、バンドでも小編成のアーティストが多かったでしょうか。それでもしっかりテントの前にたくさんの人だかりが踊っていて良い雰囲気ができていました。
公園のキャパに対して人が多すぎるということもなく過ごしやすかった。
ただ想定外に晴れた分、昼の2時3時とかになると結構暑さにやられたので日陰がもう少し欲しかった気がします。テントも張られてたけど当然のように満員状態だった。水分補給はしすぎることはない。
1辺150m未満とこじんまりした会場で屋台やトイレに行くのも困らないし、隣のステージにもすぐに足が届きます。移動にめんどくささがない。
出演者の音楽性をとっても激しく縦ノリするようなものはなく、なんというか…全てがちょうどよいフェスだったのではないでしょうか。客層は子連れから比較的年配の方まで幅広く、平和な空間でした。これはアクセスの良さによる部分も大きいのかもしれませんね。
2日目の夜に来年の開催が告知されました。僕は福井という文脈を共有していない人間で、こういうことを思うのも珍しいですが嬉しかったです。この内容ならばまた迷わずチケットを取るぞと思えました。
ご飯(GoogleMap開きます)
公園のすぐ西側が繁華街なので打ち上げなんかにも困らなそうです。僕はソロ参加なのでこういうラインナップですが…(どこに行っても中華屋は概して安く、そして入りやすい)
アーティストいくつか
細かなことは覚えていませんし、あまり個々のパフォーマンスについて述べることはできませんが…
初日のトリ。恥ずかしながら全く履修していませんでしたが…彼らがすべてもっていってしまった。音楽とシンクロした映像(映像演出入ったのはコーネリアスだけ!スペシャル!)や照明効果が視聴覚にバチバチ来ました。こういうフェスで見られてよかったです。
Poly Life Multi Soulはやりませんでしたがめちゃめちゃ楽しかった。マイ・ロスト・シティーが一番好きな曲になりました。その場でZeppのライブBDを注文し、Tシャツを物販で購入しました。
野外ライブでスペアザを見た人間と見たことがない人間。僕は見た人間になれました。
他にもイカしたパフォーマンスが揃っていて僕はだいたい踊ったり芝生に座り込んでました。SOILとか見てて思いました、サックスってかっこいいですね。
3/25 SEKIRO:Shadows Die Twice 雑感
発売日にゲームを買うというのは全くいつ以来かわからん。
SEKIROやってます。難しくてそれ以上に楽しいです。
昨年6月頃にPS4を買い、ダークソウル3→ダークソウルリマスタード、ブラッドボーンと、フロムソフトウェアのソウルボーンと呼ばれるゲームをやってきたのですが、SEKIROはそれらを下敷きにしながらより攻撃的で新しさのあるゲームになっているんじゃないかと思います。
赤鬼と侍大将山内、うわばみの重蔵に殺され殺されひいひい言いながら進み、今はまだまぼろしお蝶と鬼形部しか倒してないのですが…。
どういうゲームっていうのはたくさん記事が出てるので自分が思ったことだけ書きます。
致命の一撃、内臓攻撃、忍殺
ダークソウルシリーズには敵の攻撃をタイミングよく弾く=パリィすることで相手の体勢を崩し、追い打ちで大ダメージを与える「致命の一撃」というシステムがあります。パリィすると足は止まるし失敗すればダメージは免れないというハイリスクハイリターンの攻撃です。対人戦でこれが決まると爽快だし、効果音もアクションも格好いい、ダークソウルの戦闘の華と言っていいものだと思います。
これがブラッドボーンでは銃による体勢崩しからの「内臓攻撃」になり、SEKIROでは「忍殺」という形に発展してきたという話です。
背後致命=バックスタブは今作では隠密忍殺になっていますが、これの話は置いておきます。気付かれていない状況でしかできなくなったという変化があります。
SEKIROの「相手の攻撃のタイミングに合わせて弾くことで体幹を削り、体勢を崩したところで忍殺=体力がどれだけ残っていても即死の攻撃」はこの流れを汲んでいますが、何度か弾かないと体幹を崩せない分、弾きの成功判定はこれまでよりもだいぶ緩くなっています。少なくとも雑兵相手ならば慣れてしまえば簡単に決めることができるし、ボスに関しても体幹を削った後にこれを決めなくてはいけないため立ち回りも大きく変わった印象です。
ダークソウルではある程度の距離を保ち攻撃後の隙を狙っては反撃していた(SEKIROでも必要ですが)のが、弾いて斬って距離を取られたらむしろこちらから詰め寄る方が効果的な立ち回りになっているように思います。体幹ダメージは時間経過で回復するので、慎重に慎重にやっていると戦いが長期化してしまう。かといって焦ったり「これで削りきれるぞ!」と無理攻めをすれば手痛いカウンターを受けることになり、よくできている。
遠距離では相手の体幹回復を許さない牽制として手裏剣を投げるなどの意味合いもあり、これは楽しい。
ガードの性能が高い(ダメージは100%カットできる、弾きに失敗してもガードは成功する、ガード中は体幹回復速度が上がる)ことも、積極的な動きを誘ってくれます。
ということで何かというと、忍殺はより刀のぶつかり合いというゲーム性の中心に組み込まれたものになっているという違いがあると思います。
「致命の一撃」は隙を見せた相手に対する起死回生の一手ですが、そもそもパリィ不可というボスも多かったし、言ってみれば部分です。できなくともよい。リマスターはともかく(グウィンはパリィ頼みで倒しました)、3は感覚が掴めないのかパリィを狙っても収支が全く合いません。
ブラッドボーンはダークソウルよりも攻撃的な方向性でした。ダメージを受けた直後に切り返して回復したり(返り血で回復するとは素晴らしい)、銃ならば遠距離でも体勢崩しができてリスクが少ない分積極的に内臓攻撃を狙っていける。とはいえどうしても慎重な立ち回りになりがちだし、体勢を崩さない巨大な敵と戦う時は銃を持つ意味がほとんどないこともある。両手持ちの仕掛け武器を使っている時は銃が使えないし、ダークソウルと同様、内臓攻撃を戦術に組み込まないことも選択肢のひとつでした。
私は普段から守備に重きを置くチームを好むフットボールファンですが、SEKIROのこのアグレッシブな方向性はとても楽しいものとして受け取っています。むしろ受け流して受け流してとどめの忍殺!というのは、華麗なパスワークで攻めるフットボールというよりも、自陣に引きながらもボールに対するチェックは欠かさず、攻めては一撃必殺のカウンター攻撃を狙うスタイルに通ずるものがあるのかもしれません。
危攻撃(突き、下段攻撃、掴み攻撃)
ガードの性能が高いと書きましたがこれら3種の攻撃はガードでは防ぐことができません。「SEKIRO難しい」というのはこれまでにあったレベルアップのシステム(とはいえスキル習得で基礎能力を上げる要素もあります)やNPC・オンラインの協力がなくなったというのがある一方で、私はこれの対処に難しさを感じています。
突きには弾き(L1)もしくは見切り(○)、下段攻撃にはジャンプ(×)、掴み攻撃にはステップ(○)等で対応できるのですが、これが結構切磋の判断を要求される。「危」アイコンが出るのはある意味親切なのかもしれないが、ゆっくり時間があるわけではない。失敗すればかなりの確率で死が待っています。赤鬼に場外に投げ飛ばされ、お蝶に足払いをされ…。
これまでのシリーズと同様、相手のモーションを見て覚えて「こっちにステップ」のような判断の精度を上げていく攻略が基本なのは変わりません。ただその判断に「どのボタンを押す」のが加わると複雑さが一気に増してくるという。
距離を取るのも大事で一番安全なのですが、正解で返すことができれば体幹を大きく削れてしかもかっこいいしここは上手くなりたいポイントです。
内容は少ないけど今日はこんなところで!
アイテム使用が十字キーに振られてるのがいまいち扱いづらいのでR3に振ってみようかなとか考えてます。視点のリセットよりは重要だよなと。
日記 3/8〜3/10 WUG_SSAとシャニマスLV、2_wEi
3日間で声優アイドルもののライブを3つ見た。声優オタクか?
まず8beat story♪から2_wEiのライブが10日にあり、ちょうど同じ週末にWUG_SSAとシャニマス1stが開催されるということでチケットを取り、あまり予習をすることもないまま参加した。
3/8
いつもの福井・敦賀発の夜行バスに乗り、いつものように早朝の東京に放り出された。ネカフェ・風呂など時間の潰し方はあるが私は大抵ファミレスに入る。改めて睡眠を取らないため昼間のコンディションに問題を抱えてしまうが、ともかく安い、食事と時間潰しを同時に済ませることができる、どこにでもあるということでそっちに流れてしまう。ライフラインと言っても差し支えない。
国立科学博物館の常設展を見た。感動したのはイネの品種改良によって北海道での稲作可能地域が広がってきたという、地図を合わせた展示。日本列島が大陸と繋がり離れを繰り返してきたことで特殊で多様な生態系が形成されたという説明。それとトリケラトプスの巨大で状態の良い化石。とても一日で回りきれるものではなかったのでまた行きたい。大哺乳類展2も次の遠征に重なっているので楽しみだ。
大宮の宿で休憩してからさいたまスーパーアリーナに向かった。SSAは初めての会場。埼玉スタジアム以外で埼玉県を訪れることも初めてだった。北側に掛かる橋を見て「なんか豊田大橋(豊田スタジアムの近くにある)に似てるな…設計者が同じとかあるのかな…」などと思った。写真を見るとアーチ橋ということぐらいしか共通点がない。
割と開演ギリギリに席に着いた。ステージの正面近くの400レベルの5列目(最後列だ)で、券面を見た時は「なるほどWUGというユニットと私の距離感としてはこれぐらいのものだろうし、ゆっくり見るにはちょうどよいではないか」と思っていた。個人だと吉岡茉祐さん(ナナシスでライブ見た)や田中美海さん(ナナシスやゾンビランドサガ)をはじめ馴染みがあるが、ユニットとしての活動や楽曲はほとんど追ってこなかったわけで。
…と思っていたのだが座ってみると目の前に照明機材を吊り下げるトラスというのか足場なのかがあって、視界の上半分はおろか下側10度ぐらいまで遮られており、着座でもステージの奥側が見えない。参ったな~と思いながらもライブは始まった。
予習のために聴き返しても、ライブで聴いても『タチアガレ!』は力強くて美しい曲だった。いきなり迫力がありすぎて総毛立つ感覚があった。
私が仔細に書いてもしょうがないから、ざっくり書く。
最初のMCに入ったあたりで係の方がやってきて200レベルの席に移れると言ってきた。やはり機材の位置にミスがあったのかもしれない。喜んで移動すると上手側のコーナーキック席という素晴らしいポジションだった。それからはあっという間だった。
公演を振り返ると、なんて力強くて清々しいライブだったのだろうと思う。「解散」という重みがありながら、それに伴う感傷ではなく、リーダー・青山吉能さんの言うところの「人生の第二章」を踏み出す覚悟、決意、最後に凄いものを見せてやるという気迫に圧倒された。『土曜日のフライト』の歌詞にあるように、悲しみを感じるフェイズではもはやなかったのだろうか。解散が発表されて9ヶ月、多くのライブをファンと一緒に走ってきたことは聞いていた。
ワグナーの皆さんの声も凄まじいものがあった。ただの一見さんでしかない私でも、7人のパフォーマンス(フォーメーションが綺麗だったとか色々ある)、ファンの練度には6年という時間の積み重ねを感じた。
トリプルアンコールでこちら側で歌っていた高木美佑さんがセンターの方に駆けていく、その後ろ姿がとても爽やかな印象として残っている。おそろしく美しい瞬間だった。最後の一曲の時間はまさに祝福という言葉が相応しかった。
ひとつの人格が終わる日だと言った吉岡茉祐さん。通りのよい声と勇ましい振る舞いが格好良かった。センターにはユニットの性格が出るというのか、あるいは役回りが人を形作るのか、WUGというユニットの力強さを彼女に感じた。
WUGは6年を一人も欠けることなく駆け抜けた。それは当たり前ではない、とても難しいことだというのは本人たちも語ったところだ。業界の移り変わりは速すぎるほどに速い。その中で成し遂げたことを誇ってほしいと思った。
WUGを見ながらも、自分の関心事として8beatstory♪のことを考えたりした。昨年12月とこの3月で、8/pLanet!!は2人のメンバーを失うことになった。声優業からの引退という形で。
後任キャストの一人は山下七海さんだ。2_wEiと日程も近いし、お前もSSAに来いと言われたような、縁のようなものを感じてチケットを取った。WUGという経歴は信頼性が高すぎるなと思っていたけれど、彼女がWUGとしてステージに立つ姿を見られてよかったと思う(紫でななみか、エビストにも紫でななみの人がいるぞ)。
WUGはやるべきこと、表現すべきことをやりきって解散を迎えたように(初めてライブを見たのになぜか)見えた。続けていけばもっとできたこともあったのだろうが、しかし。清々しいエネルギーに満ちていて、あのライブは幕の引き方として理想的だった。
エビストもいずれ終わる時が来るだろう。やるべき表現をやりきってフィナーレを迎えられると信じたい。無傷と言えずともそれができれば、最後まで繋げば勝ちなのだ。
終演後は一人居酒屋をやって宿に戻った。キャバクラの客引きが激しい。
3/9
東武動物公園に行った。水族館などでも感じることは同じだが、機能が動物の姿形に現れているのを見ると大変面白い。
爆散ってなんですか? pic.twitter.com/l1OO1PBQqG
— 発券 (@nozzey) March 9, 2019
帰宅部魂
やたらと天気がよく、GRAPEVINEの新譜『ALL THE LIGHT』を聴くのが相応しいなと思って再生した。最初のトラックは『開花』だ。まさしく春のアルバムのような気がする。
『Era』を聴いているとこういう歌詞が聞こえてきた。
繋がっていくメロディ
苦い過去を引っ括めて 何もかも連れて行こう
もう一歩 いつもの感じで
その時々の状況にぴたりとハマる音楽が流れてくることがたまにある。
青野菜月さんと吉井彩実さんの引退は少なからぬショックだった。一応約3年間、スタートから追っているコンテンツ・ユニットの声優さんなのだ、相応の愛着とか感謝、それ以上のものを持っているし。この先姿が見られないと思うと寂しいし、メンバーの心境はいかばかりか。最後まで演じたかっただろうが、避けがたいこともある。
ただ、キャストが変わり収録ボイスが差し替えられても青野さん・吉井さんと積み重ねてきた時間が、その意味が消えるわけではない。2人がいた時間とこれからの8人の未来は繋がっている。楽しかったことも悲しかったことも全部持っていくのがいい。
2人にとっても良い時間だったと振り返れるものだといい。リアルに直面して凹んだ表面はなかなか戻らないにしても、吉井さんへの手紙を書けるなと思えた。
中央林間行きの中央林間ってどこだよ、埼玉の雑木林に連れて行かれるのでは…と不安になりながら電車に乗ってLV会場である錦糸町方面に向かった。東武スカイツリーラインから半蔵門線を経て神奈川北部まで直通なのヤバない?
シャニマスLV。
解散ライブの翌日に別件の1stライブを見るとはなあという思いもする。
ライブに加えて朗読劇が2本あり、ゲームを触ったことのない自分でも「このキャラかわいいな~」と思えたし、少しゲームの方を触りたくなった。そういう意味でもやはり手堅い造りだったのだろう。
朗読劇が一番面白かったのでそれ中心のイベントとかあるといいなと思ったのと。キャラへの入れ込みが強い人やプロデューサーのロールプレイをやってる人が沢山いるのだから、もっとその辺……虚構性の強いイベントをやったら楽しそうじゃない?とは2_wEiを見ていると思うこと。
カプセルホテルに泊まった。時々いびきがでかい隣人がいる。質の高い耳栓が必要。
3/10
11月東京、12月大阪と開催された2_wEi 1stライブも最終公演。生バンド入り。
11月の感想についてはこちらに書いたが、概ねその再演でありつつ、更新された部分が大きいライブだった。 http://nozzey19.hatenablog.com/entry/2018/11/23/204939
開演前アナウンスから作品世界に観客を巻き込み、ステージでは演者が退場の瞬間までキャラクターを演じ通す。その作り込みによってストーリーとの地続き感が出てきたり、キャラクター・作品のメッセージ的なものに説得力が与えられることを、これまでの公演の中でも最も強く感じた。
11月の2ndライブ開催が告知され、「辛いことがあれば下を向いてもいい。後悔していることがあるなら振り返ればいい。でも、2_wEiの音楽を聴いている時だけは前を向かせてやる」というアルミの言葉はあまりにも頼もしかった。2_wEiが新たなステージに進むのを感じたと同時に、2人を信じさせるだけの質、熱量を伴ったライブになっていた。
およそ10年前、ELLEGARDENのライブで細美武士が「嫌なことムカつくことを忘れたり逃げるためにお前らライブに来てるんだろ」という事を発言したのを覚えている。当時はそこまで響いた言葉ではなかったけどここ数年はその意味を理解できているいうか、実際的な感覚として頭と身体に染みている。
それに近いメッセージをこの2019年、8beat story♪の虎牙アルミ・ミントというキャラクターを介して体感する謎の巡り合わせがあった。
やっぱり音楽に生かされてるよなと思ったり、エイトビートストーリー最高!という気持ちだったり、アルミとミントというキャラクターの力強さを感じたりして、最前付近でめちゃくちゃになりながら少し泣いた。最高のライブだったと思う。
僕は物販の女性にきちんと「2_wEi旅(ちゃび)のDVDひとつください」って言いましたよ
— 発券 (@nozzey) March 12, 2019
WUGはアニメの企画からスタートして、ライブ演出にもそれが取り入れられていたけど、最後はリアルな人間として「人生の第一章」を終える所を美しいライブで見せてくれた。
2_wEiは虚構のキャラクターとしての姿を貫くからこそ(千秋楽の挨拶ということで最後に野村さん・森下さんが登場した時にも「演じました」とかではなく「アルミさんとミントさんは帰っちゃったけど」って言ってたのすごく良くない?)響くメッセージがあることを示してくれた。
どっちが良いということではない、ただ力強いものが見られて嬉しかった。
よくわからん流れでTwitterのご近所が集まり、ライブとかガルラジとかの話をして楽しかった。帰るの明日でもいっかぁという気分だったがなんとか時間通りバスに乗った。
2018年のイベント・スポーツ観戦
記録だけしておきます。
2017年版はこちら。
2017年に参加したイベントを振り返る : nozzey5865
1月
4U『The Prs"id"ent 4U』 @Zepp Osaka Bayside
8beatstory♪ /8/pLanet!! 『8』発売プレミアムイベント @タワーレコード渋谷 Cutup Studio
Beat Happening! (ヤなことそっとミュート/モーモールルギャバン/ジョニー大倉大臣) @渋谷LUSH
3月
4月
FANJ Premium Live(伊藤美来/立花理香/Pile/山崎エリイ) @京都FANJ
8beatstory♪ 8/pLanet!! 3rd Live Blu-ray 発売イベント @AKIBAカルチャーズ劇場
5月
ヤなことそっとミュート Puddle Tour(ヤなことそっとミュート/フィロソフィーのダンス/校庭カメラガールドライ) @梅田クラブクアトロ
8beatstory♪ /8/pLanet!! 4th Live @Zepp Divercity Tokyo
6月
KURU FROM FRANCE(quiqui/オータケコーハン/NENGU/Pneu/Partout Partout) @金山ブラジルコーヒー
7月
8beatstory♪ 8/pLanet!! 4th Live 衣装展 @ゲーマーズなんば店
YSM TWO(ヤなことそっとミュート/我儘ラキア/ミライスカート/WEAR) @ESAKA MUSE
Jリーグ 名古屋グランパス-サンフレッチェ広島 @豊田スタジアム
9月
CCC Extra Edition(ヤなことそっとミュート/nuance/校庭カメラガールドライ) @club asia
夏の魔物2018 in TOKYO @お台場野外特設会場
10月
Chara1 Oct. 8beatstory♪ ステージ
少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The Live- #2 Transition ライブビューイング @TOHOシネマズ二条
11月
藤原さくら Tour 2018 "Yellow" @オリックス劇場
8beatstory♪ 2_wEi 1st Live『Driven to Despair』 @duo music exchange
12月
8beatstory♪ /8/pLanet!! 『歩み 2016~2018…』@横浜 ランドマークホール
mabanua tour 2018 "Blurred" @心斎橋 CONPASS
8beatstory♪ 2_wEi 1st Live『Driven to Despair』 in OSAKA @梅田シャングリラ
こう数えると24回イベント事に行ったようで、2017年より2回増えました。上京した回数は8回。8beatstory♪関係は全部で8回でした。
2018年の音楽
私にとっては2018年がサブスクリプション元年でした。2月頃にSpotifyに加入してからというものほとんどCDを買わなくなり、月980円というコストの低さと、加入してしまえば購入するしないの判断もなくすぐに聴けるスピード感で新しい音楽との接触は明らかに増えたと思います。
誰かと音楽の話をするにしても相手がサブスクをやっていると非常に気軽に薦められるし、そういうコミュニーケーションの部分でも面白いものがありました。
いくらでも聴くべきものがあるので同じアーティスト・アルバムを繰り返し聴く回数は明らかに減りました。といっても強い探求心を持って掘っていたわけでもなかったのですが。
ということで2018年のよかった音楽を振り返ります。
ある程度楽曲単位でいきます。
1. SCANDAL『プラットフォームシンドローム』『OVER』(HONEY)
この、アルバム冒頭のいかにもシングルコイルという音が良いです。前作『YELLOW』からはメンバーが全曲を作曲しているらしく、素朴な感じの楽曲に乾いた音像が大変好ましく感じられます。
2. ヤなことそっとミュート『クローサー』『Phantom Calling』(MIRRORS)
東京で2回、大阪で2回ライブを見ました。手堅い、しかし鋭い音を出すバンドの前でアイドルが踊るのは最高。4人のボーカルのバランスもいい。僕は間宮まにさんが好きです。
3. NENGU『Go My Bamboo』(Tuna Body)
ヤなことそっとミュートのバンドでギターを弾いている馬場庫タロウ氏の繋がりで聴きました。ゴリゴリのフィジカルなポストロックです。フランスからやってきた2つのバンドと対バン、名古屋の喫茶店で演奏するスーパーフィジカルなライブが最高でした。
4. Cero『Poly Life Multi Soul』(POLY LIFE MULTI SOUL)
Twitter(ごく一部の狭い範囲)で流行しました。
5. 前野健太『今の時代がいちばんいいよ』『夏が洗い流したらまた』(サクラ)
夏の魔物のプロレスリング状のステージで、サングラスのレンズが外れてもかけ直して歌っていた姿が忘れられません。穏やかな佇まいのいい歌です。
6. おやすみホログラム『colors』『天使』(4)
おやホロはバンドアレンジの曲ばっかり聴いていましたが、やるせない、憂鬱な歌詞世界を掴んでから打ち込みの曲もすっと入ってくるようになりました。
7. モーモールルギャバン『7秒』『海へ』(IMPERIAL BLUE)
1月に見たライブが大変かっこよくて楽しかったので、今まで縁がなかったのが意外ですが聞き始めました。ドラムスがドカンドカン鳴っているのはそれだけで素晴らしいです。風邪をこじらせて12月京都でのライブに行けなかったので今年は…
8. Special Favorite Music『スタンドバイミー』『EVER』(Royal Blue)
すごいバンド名です。素朴でお洒落すぎず、過剰な部分がないちょうどいい音楽だと思います。
9. 藤原さくら『また明日』『うたっても』(red)
映画『若おかみは小学生!』の主題歌を入り口に聴きました。生っぽい音とのんびりしたメロディが良い。ライブ行きましたし、なんなら日比谷野外音楽堂ライブのBDも買います。バックバンドはOvallの皆さん。
10. mabanua『Heartbreak at Dawn』『Tangled Up』(Blurred)
藤原さくらのバンマス、『red』のプロデューサーということで。
11. 山崎エリイ『シンデレラの朝』(夜明けのシンデレラ)『雨と魔法』(全部、君のせいだ。)
4月のライブで彼女の出番の最初の曲が『雨と魔法』。初めてリアルな山崎エリイさんを見ました。全く現実のものとは思えない体験でした。2016年作品ですが挙げます。
12.羊文学『涙の行方』『夏のよう』(若者たちへ)
ギターとメロディが良いです。
13. テトラルキア『カナリア』『Shine on Me!!』(Raise Your Fist)
完全に好きな音楽の傾向がバレています。Re:ステージで一番自然に入ってくるユニットです。
14. ASIAN KUNG-FU GENERATION『サーカス』(ホームタウン)
田中和将はツイッターしないでほしいな。いやしないだろうけど。今のアジカンはこうなってるんですね。好きな音です。
15. 2_wEi『UNPLUG』『Pain - pain』(Throne of Despair)
8beatstory♪から。作品のストーリー・キャラクターと密着した音楽。そうした体験も含めて考えると2018年で一番印象深かったアルバムです。『Pain - pain』のイントロの3連だか6連符だかを絡めたギターリフが最高。希望や愛を歌うために生みだされながら絶望や怒りを振り撒く歌を歌わざるを得ない境遇となった2人が、それでも「閉ざしたフリしても恋焦がれてたMelody なんで愛おしいんだろう」と戸惑いながらも歌うことに、それでも歌に惹かれ続ける姿に、ただならぬドラマを感じてしまいます。
16. 8/pLanet!!『おとめ☆de☆Night』『Outer Existence』
同じく8beatstory♪から。『おとめ』の歌詞のリズム感が良いです。作品の可愛らしい雰囲気、ストーリーの未来を暗示するような内容が楽曲に出ていてこれもまた面白いです。
17. 七橋御乃梨(CV:高橋李依)『ポプラと僕らのヒストリー』
アニメ『One Room』から。ノスタルジックな歌詞に高橋李依さんのボーカルが元気な響きを与えてくれます。アニメ本編もさることながらeba先生の主題歌がいつも素晴らしいので、この先もシリーズを続けてほしい。
あとは楽曲単位では挙げにくい映像作品から。
18. バーフバリ 王の凱旋
インド映画に少し関心はあれどどこから手を付けるべきか分からなかったのですが、ネット上でちょっと騒ぎになっていたことから『バーフバリ 伝説誕生』をレンタルして見事にハマりました。インド映画といえばミュージカルシーン。ああいった有無を言わせない力強い表現を求めて映画とかアニメを見ているという気もします。バーフバリという映画自体もそういうものがありましたし、自らの誓いに忠実に生きる人々の格好良さや、バーフバリという生まれながらの王…神の恩寵を受けた太陽のような男が側にいた結果歪んでしまったバラーラデーヴァという悪役が持った業の重さにも引き込まれました。
音に対する拘りが飛び抜けていたアニメ映画でした。言外に語る映画の中で劇伴・音楽が果たした役割も大きかった。往復100km以上の映画館に3度車を走らせました。
20. 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
このアニメの大きな見せ場のひとつが感情を歌に乗せながら戦うレヴューシーンでした。爆発的な感情の動きが映像と音楽に乗っており、アニソンらしいドラマティックな構成とアレンジがこれ以上なくハマっていたと思います。最近は『Star Divine』のような曲調のものは進んで聴かなくなっているのですが、舞台少女たちの覚悟を感じながら聴くとトップスタァの座を懸けたレヴューが思い出され、なんだか背筋が伸びるような気がします。
あと面白かったことといえばフジロックのYoutubeライブ配信でしょうか。
ある程度洋楽も聴いているといっても新譜を探すアンテナをほぼ持っておらず、こういう記事を書くと邦楽ばかりになってしまいます。
Spotifyで聴けるものはプレイリストとしてまとめてみました。
今年もよろしくお願いします。