2018年の音楽
私にとっては2018年がサブスクリプション元年でした。2月頃にSpotifyに加入してからというものほとんどCDを買わなくなり、月980円というコストの低さと、加入してしまえば購入するしないの判断もなくすぐに聴けるスピード感で新しい音楽との接触は明らかに増えたと思います。
誰かと音楽の話をするにしても相手がサブスクをやっていると非常に気軽に薦められるし、そういうコミュニーケーションの部分でも面白いものがありました。
いくらでも聴くべきものがあるので同じアーティスト・アルバムを繰り返し聴く回数は明らかに減りました。といっても強い探求心を持って掘っていたわけでもなかったのですが。
ということで2018年のよかった音楽を振り返ります。
ある程度楽曲単位でいきます。
1. SCANDAL『プラットフォームシンドローム』『OVER』(HONEY)
この、アルバム冒頭のいかにもシングルコイルという音が良いです。前作『YELLOW』からはメンバーが全曲を作曲しているらしく、素朴な感じの楽曲に乾いた音像が大変好ましく感じられます。
2. ヤなことそっとミュート『クローサー』『Phantom Calling』(MIRRORS)
東京で2回、大阪で2回ライブを見ました。手堅い、しかし鋭い音を出すバンドの前でアイドルが踊るのは最高。4人のボーカルのバランスもいい。僕は間宮まにさんが好きです。
3. NENGU『Go My Bamboo』(Tuna Body)
ヤなことそっとミュートのバンドでギターを弾いている馬場庫タロウ氏の繋がりで聴きました。ゴリゴリのフィジカルなポストロックです。フランスからやってきた2つのバンドと対バン、名古屋の喫茶店で演奏するスーパーフィジカルなライブが最高でした。
4. Cero『Poly Life Multi Soul』(POLY LIFE MULTI SOUL)
Twitter(ごく一部の狭い範囲)で流行しました。
5. 前野健太『今の時代がいちばんいいよ』『夏が洗い流したらまた』(サクラ)
夏の魔物のプロレスリング状のステージで、サングラスのレンズが外れてもかけ直して歌っていた姿が忘れられません。穏やかな佇まいのいい歌です。
6. おやすみホログラム『colors』『天使』(4)
おやホロはバンドアレンジの曲ばっかり聴いていましたが、やるせない、憂鬱な歌詞世界を掴んでから打ち込みの曲もすっと入ってくるようになりました。
7. モーモールルギャバン『7秒』『海へ』(IMPERIAL BLUE)
1月に見たライブが大変かっこよくて楽しかったので、今まで縁がなかったのが意外ですが聞き始めました。ドラムスがドカンドカン鳴っているのはそれだけで素晴らしいです。風邪をこじらせて12月京都でのライブに行けなかったので今年は…
8. Special Favorite Music『スタンドバイミー』『EVER』(Royal Blue)
すごいバンド名です。素朴でお洒落すぎず、過剰な部分がないちょうどいい音楽だと思います。
9. 藤原さくら『また明日』『うたっても』(red)
映画『若おかみは小学生!』の主題歌を入り口に聴きました。生っぽい音とのんびりしたメロディが良い。ライブ行きましたし、なんなら日比谷野外音楽堂ライブのBDも買います。バックバンドはOvallの皆さん。
10. mabanua『Heartbreak at Dawn』『Tangled Up』(Blurred)
藤原さくらのバンマス、『red』のプロデューサーということで。
11. 山崎エリイ『シンデレラの朝』(夜明けのシンデレラ)『雨と魔法』(全部、君のせいだ。)
4月のライブで彼女の出番の最初の曲が『雨と魔法』。初めてリアルな山崎エリイさんを見ました。全く現実のものとは思えない体験でした。2016年作品ですが挙げます。
12.羊文学『涙の行方』『夏のよう』(若者たちへ)
ギターとメロディが良いです。
13. テトラルキア『カナリア』『Shine on Me!!』(Raise Your Fist)
完全に好きな音楽の傾向がバレています。Re:ステージで一番自然に入ってくるユニットです。
14. ASIAN KUNG-FU GENERATION『サーカス』(ホームタウン)
田中和将はツイッターしないでほしいな。いやしないだろうけど。今のアジカンはこうなってるんですね。好きな音です。
15. 2_wEi『UNPLUG』『Pain - pain』(Throne of Despair)
8beatstory♪から。作品のストーリー・キャラクターと密着した音楽。そうした体験も含めて考えると2018年で一番印象深かったアルバムです。『Pain - pain』のイントロの3連だか6連符だかを絡めたギターリフが最高。希望や愛を歌うために生みだされながら絶望や怒りを振り撒く歌を歌わざるを得ない境遇となった2人が、それでも「閉ざしたフリしても恋焦がれてたMelody なんで愛おしいんだろう」と戸惑いながらも歌うことに、それでも歌に惹かれ続ける姿に、ただならぬドラマを感じてしまいます。
16. 8/pLanet!!『おとめ☆de☆Night』『Outer Existence』
同じく8beatstory♪から。『おとめ』の歌詞のリズム感が良いです。作品の可愛らしい雰囲気、ストーリーの未来を暗示するような内容が楽曲に出ていてこれもまた面白いです。
17. 七橋御乃梨(CV:高橋李依)『ポプラと僕らのヒストリー』
アニメ『One Room』から。ノスタルジックな歌詞に高橋李依さんのボーカルが元気な響きを与えてくれます。アニメ本編もさることながらeba先生の主題歌がいつも素晴らしいので、この先もシリーズを続けてほしい。
あとは楽曲単位では挙げにくい映像作品から。
18. バーフバリ 王の凱旋
インド映画に少し関心はあれどどこから手を付けるべきか分からなかったのですが、ネット上でちょっと騒ぎになっていたことから『バーフバリ 伝説誕生』をレンタルして見事にハマりました。インド映画といえばミュージカルシーン。ああいった有無を言わせない力強い表現を求めて映画とかアニメを見ているという気もします。バーフバリという映画自体もそういうものがありましたし、自らの誓いに忠実に生きる人々の格好良さや、バーフバリという生まれながらの王…神の恩寵を受けた太陽のような男が側にいた結果歪んでしまったバラーラデーヴァという悪役が持った業の重さにも引き込まれました。
音に対する拘りが飛び抜けていたアニメ映画でした。言外に語る映画の中で劇伴・音楽が果たした役割も大きかった。往復100km以上の映画館に3度車を走らせました。
20. 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
このアニメの大きな見せ場のひとつが感情を歌に乗せながら戦うレヴューシーンでした。爆発的な感情の動きが映像と音楽に乗っており、アニソンらしいドラマティックな構成とアレンジがこれ以上なくハマっていたと思います。最近は『Star Divine』のような曲調のものは進んで聴かなくなっているのですが、舞台少女たちの覚悟を感じながら聴くとトップスタァの座を懸けたレヴューが思い出され、なんだか背筋が伸びるような気がします。
あと面白かったことといえばフジロックのYoutubeライブ配信でしょうか。
ある程度洋楽も聴いているといっても新譜を探すアンテナをほぼ持っておらず、こういう記事を書くと邦楽ばかりになってしまいます。
Spotifyで聴けるものはプレイリストとしてまとめてみました。
今年もよろしくお願いします。